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リケジョが熱い!

中高生の悩みにじかにアプローチ

松浦
さて冒頭にもご紹介しましたが、JSTというプログラムで、中高生の皆さんに理系の楽しさをお伝えしていますが、この取り組みの中で、感じることはありましたか?


森川
中高生と話しての印象は、理系には行きたいけれど、なにかしらネックがあって行けない、という子が意外と多かったことです。たとえばそれは進路選択の問題であったり、理系科目が苦手だから行けないんじゃないかという不安であったり。たとえば進路なら、理系に進んだら、研究職にしか就けない、と思っていた子が大半で、これは大きな衝撃でした。その子たちに対し、「理系に進んだら選択肢が増えるだけであって、もし4年通って、ちがうなぁと思ったら、文系の職も選べるんだよ」と教えてあげたら、へぇ!と。「やっぱり理系をとってみようかな」と考え直した子がいて、少しは力になれたかもしれません。
もうひとつ、理系の科目がすごく苦手で理系にすすみたいけれどできない…という悩みを抱えている子に対しては、わたしも数学が苦手だったけど、やりたいことを信じて、やりぬけばできるのではないかな、と伝えました。少しこわいけど、理系を選択してみます、と言ってくれた子がいました。選択の幅を広げられたかなと思いました。

鈴木
わたしも高校生の座談会に参加しました。「将来の夢が決まっていないから学部を決められない。だから、現在の得意科目で進路を決める」という子が多かった。ですので、「夢は一度決めたら、ずっとそれじゃなきゃいけないってことは、ないんだよ」と伝えました。これがいちばん伝えたいことでした。伝わってるといいなと思います。
信岡
高校1年生の子は、理系も文系もわからないので、大学生活はどんなものか、から話しています。物理をやりたくない、数学はきらい、どうしたらできるようになりますか、という質問が多いですね(笑)。高校1年は、わからなくなるきっかけができるあたりなので、何回も先生に質問するように、とアドバイスしました。

わたしの場合、機械系、電気系は本当に女子学生が少ないので、なるべく機械分野を知ってもらいたい、というのがあります。機械分野の就職先は、「力仕事じゃないの? 作業着を着てひたすら汗臭い中でやらなくちゃいけないんじゃないの?」と思っている人が意外と多くて(笑)。大学を卒業すると、男女関係なく、設計分野、パソコンの仕事が多いので、力仕事ということはあんまりないですね。
それから、物理と数学ですが、物理は数式ではなく、力の絵さえ描ければなんとかなります。数式はそんなに難しくないんです。そういうふうに教えてもらえたらいいのにと思います。苦手意識を持つ前にわたしは、数学はパズルみたいなものだと考えました。因数分解など、パズルと思い込むのです。
松浦
面白いですね。ありがとうございます。一二三先生、ご自分が理系を選んだときにどんなことを考えていらしたか、ヒントをいただけますか。
一二三
高校生のころは、わりと現実的なことを考えていました。たぶん就職して、家庭をもったら一度リタイヤして、その後、復職するだろうな、というふうに思っていたのです。わたしたちの時代、女性が総合職に入っていくのは実態として難しく、資格を持つ必要があるな、それがいちばん将来安定だな、と思ったのです。それで臨床検査技師を目指し、なりました。でもその資格はペーパーで使わないまま、今日です(笑)。

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